キッズプレート、パスタおかわり

プログラミングやデジモノについてあれこれ
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2006.04.02 13:19|カテゴリ:エッセイコメント(0)

食事2


 私の父の趣味はハンティングである。狩猟だ。人間が昔から生活の営みとして行なってきた行為である。しかし、趣味といっても実は結構お金になる。獲物のメインは猪である。
 何人かでグループを作り、猟犬を放って猪を追い込んでいくのだ。
 そうしてうまい具合に獲物がとれると全身の毛を剃り、さばいて精肉店に持っていく。
 キロあたり4000円。高いとお思いだろうが実はこの値段は比較的安いほうらしい。他のチームはキロあたり7000~8000円で売っていると言っていた。たしかにそれにくらべれば良心的だ。半額の激安プライスである。店の主人もさぞ助かっているであろう。お礼に和菓子の一つでも貰いたいが、くれないところをみるとあまり感謝していないらしい。
 さて、この猪の肉、全部売ってしまうかといえばそうではない。やっぱり自分達でおいしくいただく。しかも本当においしい部分だけいただく。私が一番好きな食べ方は塩胡椒で焼くという簡単お手軽なものだ。でもこのほうが肉本来の旨味が出ると思うのは私の勘違いだろうか? よく「牡丹鍋」という猪の鍋の名前を耳にするが実際にはお目にかかったことがない。焼くのがお手軽でいい。あっ、最近では薄く切ってしゃぶしゃぶにしたりもする。う~んうまい。
 しかし、この猪の肉にも問題がある。
「臭い」
 独特の臭みがあるのだ。なんともいえない。この香を、
「いい香だ」
 という人もいれば、
「うっわー、くさぁー」
 といって思わず鼻をつまむ人もいる。この香が駄目な人は猪の肉は食べられないだろう。残念だ、こんなにおいしいのに。もったいない、人生の0.01%は損をしたな。まぁ、問題は初めて食べる時に本当においしい肉に巡り合えるかということに尽きる。これは猪の肉だけでなく全ての食材に言えることだが初めて食べた時の印象というものは心に深く残るのだ。私の場合は「ウニ」がそうだった。
“ぱくっ! うえぇ!! なんじゃこりゃ、臭っ! こんなのどこが美味なんだ。頭おかしいよみんな”
 その時食べたのはすごい安い寿司のネタだと思う。もうそれ以来ウニは二度と口にしていなかった。私の頭の中で、
「ウニ=まずい」
 の方程式が出来上がった瞬間である。この方程式は今後出会う全てのウニに適用されていった。う~ん損してるなー。
 ところがである。一昨年の冬、私は地元(九州大分)に帰ったとき中学校時代の同級生達と一緒に飲んだ。結構小さな居酒屋だ。友人のお父さんの知り合いのお店ということで値段も良心的なものだった。普通に食べるとどうだかわからないが私が払った値段は、そんなに高くなかったと思う。そのお店なのだが腕がいいのか食材がいいのか、料理がおいしかった。煮物・天ぷら・焼き鳥と、なかなか高レベル。その場にいた友人達もみな一様に、
「うまい、うまい」
 と言っている。私達はビールを片手にご機嫌で食事を楽しんでいた。そろそろメインの料理が出てくる時間だ。
「おまたせしました。」
 店の女将さんが持ってきてくれたのは「蟹」。炭の入った七厘。網に乗った蟹の足が、まぶしすぎる。それを見た瞬間その場の全員が、
「おぉー!」
 合図もなしに息ぴったりだ。それぞれ蟹を分配しさっそく食べてみる。
“・・・・・うーん、うまい。これは、うまい!”
 つね日頃、蟹はなんてうまいんだと思っていたがこんなにうまいのか恐るべし。ぎっしりつまった蟹の身が、きちきち、ふわふわ、していてなんともいえない食感だ。私は、
“いやぁー、大将。いいもん食わしてもらったよ、そんじゃな”
 と、今にも暖簾を押して店を出ていきそうなくらい満足していた。その時である。
「おまたせしました。」
 またまた、全員そろって、
「おぉー!」
 そこへ出てきたのは船盛り。またまた、この船盛りがうまかった。刺し身がぷりぷりしてて最高。アジはまだ生きていた。ちょっと残酷。
“わお、うまいじゃん、うまいじゃん。大将あんた、ただものじゃないじゃん”
 と、妙なテンションで刺し身を食べる私は、全ての種類を口に入れようと船盛りを見渡した。
「んっ?」
 ウニである。私の頭は過去にインプットされた方程式をもとに、まずいよ信号を発している。
“あっちゃ~、ウニだよ”
 私は一瞬箸を止め考えたがやはり食べる気にはなれず、次のお刺し身へ照準を絞っていた。すると友人の一人がウニへと箸を延ばしている。
「ぱくっ、うまぁ~い!!」
 酒が入っているのでやけにオーバーだ。笑顔もににこやかであやしい。それを見た私は、
“そんなにうまいか? ウニはまずいんだよ明智君”
 と、ここにはいもしない明智君に意見を述べていた。
「うまい、うまい」
 他の友人たちもみんな口にしてはうまいと言っている。
“おかしい。ウニはまずいって、あの香。生臭いんだよ”
 しかし、その場にいるほぼ全員がうまいと言っている。その時だ友人の一人が、
「おれって、ウニ嫌いなんだよねぇ。」
 衝撃の告白だ。これだけウニがうまいと評価されている場でその一言。さぞかし勇気が必要だったろう。私は、
“おぉ、私の気持ちをわかってくれる人がいたか。そうそう、ウニはまずいんだよ。がんばれぇー!”
 と、心の中でエールを送っていた。
「えっ、嫌いなの? もったいない。こんなにうまいのに」
 もう一人の友人がそう言いながら、ウニを口へと運んだ。たしかにうまそうな顔をしている。幸せいっぱい夢いっぱいの笑顔だ。すると先程ウニが嫌いだと述べた友人が、
「ほんとにおいしい? じゃ、食べてみようかな」
 そう言って箸をウニへと延ばしてるじゃないか、
“なんてこったい。私の味方よ、早まるんじゃない。君はまだ若いんだ。”
 私は不安な面持ちでその様子を伺う。すると、
「あれっ? おいしいよ」
“なぬ? うまいだ? どういうこっちゃ。ウニ好きがうまいというならまだしも、
ウニ嫌い宣言をした者までうまいとは、このウニ・・・何かあるな”
 ウニ嫌いの友人は、おいしいと感じていることに少し困惑している。どうやら本当においしいようだ。
“そういえば、このウニ以外の料理はめちゃうまだ。刺し身だって、ぷりぷりデリシャスではないか。きっとこのウニもそんじょそこらのウニとは一線を画しているにちがいない”
 私は決心すると箸をウニへと延ばした。私の脳裏に過去のいやな思い出がよぎる。
“ぱくっ! うえぇ!! なんじゃこりゃ、臭っ! こんなのどこが美味なんだ。頭おかしいよみんなぁ~みんなぁ~みんなぁ~みんなぁ~・・・”
 フェードアウトしていく思い出の中で私はついにウニを箸でつまんだ。
“ウニだよぉ。箸に載っちゃてるよ。だれだい、こんなもの食べようって言ったの”
自分である。私は少し震える箸でおもむろにウニを口へと運んだ。
「ぱくっ・・・おぉ~!」
 私は、驚いた。
“なんじゃ、こりゃ。うまいぞ! うまいやん! ブラボー、ハッピー! グラッチェグラッチェ!”
 本当にうまいのだ。昔食べたウニと比べたら大変失礼な代物である。ウニの香がふんだんにするのに全然生臭くない。なんとも言えない香が口の中に、ふぁーと広がって顔が思わず、
「むふふ♪」
 となってしまう。あのけったいな物体のどこに、これほど人を魅了するパワーが隠されているのだろう。正直驚いた私は、また一口ウニを口にいれて、むふふ♪
“うまい、うますぎる。まいった、おっちゃんのほっぺ地球の裏まで落ちそうや”
 私はこの一件以来ウニをそれなりに食べるようになった。でも、あくまでのそれなりにというだけであって、進んで食べるわけではない。見てうまそうなウニだけ食べるようにしている。
 贅沢? いやいや、私の舌は庶民の味しか受け付けないのだ。そうじゃなけりゃ、もっとウニに手をだしているだろう。まぁ、私の味覚がまだお子様という噂もあるが、わさびを思い切り食べたりするのでそんなこともないだろう。はっ! もしかしたらただの味おんちなのだろうか? いやいやそんなこともないはずだ。それなりに料理も作って人に・・・食べさせたことないな。これは困った。もしかして私は味おんちなのだろうか。うーん、今度料理してだれかに食べさせてみよう。そうすれば私が味おんちかどうかわかるはずだ。よし、早速犠牲者を探しに行くか。

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